逮捕されたら 流れや注意点、家族に出来る事 留置場内の生活 (強制わいせつ 窃盗 痴漢 盗撮 詐欺 傷害 大麻 覚醒剤 窃盗 恋人 彼氏 取り調べ)

私は法律や警察・検察の捜査、弁護士の活動限界等を勉強していました。そんな中、友人Aが性犯罪(強制わいせつ罪)を犯してしまい逮捕されました。私は留置場に接見に行き、その中で聞いた話や私の知識をブログにしようと思います。

裁判の傍聴結果(強制わいせつ、青少年育成条例)起訴から判決まで(第二公判編)

 第一公判編で書いた通り、強制わいせつ2件、育成条例違反2件で起訴された警察官の裁判の続きです。

 第二公判は私も傍聴に行っていました。

漫画 君たちはどう生きるか      男と女の性犯罪実録調書 (鉄人文庫)

 

 裁判所の部屋に入ると、報道関係や警察関係とみられる人が大勢座っていました。同時刻に殺人事件の初公判が別の法廷で行われているため、前回よりは少ないみたいです。

 

 開廷の5分前になると、被告人が入ってきました。

 保釈されたのか、手錠もなく、一般傍聴者と同じドアから入ってきました。

 その姿を見ると、やはり爽やかな青年にしか見えませんでした。(正直な見た目の感想は、イケメンで背も高く、目もパッチリ二重、女には困らないであろう見た目でした。)

 

 そして開廷されました。

 開廷後、まず情状証人として、被告人の父親が法廷に立ちました。

 そこでは、まず弁護側からの質問が始まり、その後検察側からの質問となります。

 正直ここは形式的なやり取りなので、省きます。

 何を話すかざっくり説明すると、

 

   弁護側 

 被告人の性格や今までの犯歴や犯行前後の時期で変わった事

 被告人の今後の指導を約束する。

 

   検察側

 なぜ、気が付かなかったのか。

 もし、また犯行をしてしたら、止めることができるのか

 

 などを聞いていきます。

 

 その後、被告人質問になりました。

 

 まずは弁護人からの質問です。

 

 弁「あなたは、このような罪を犯す最初の原因は何だったと思いますか?」

 被「仕事上のストレス発散でした。」

 弁「それはいつ頃の話ですか?」

 被「3年くらい前の事です。その当時私は交番勤務をしていました。その交番は2人勤務で巡査部長の上司と二人で勤務していましたがその頃でした。

 弁「仕事が大変だったのですか?」

 被「いえ、仕事はやりがいもあり、順調でした。

 弁「では、人間関係ですか?」

 被「はい。

 弁「どんな人間関係だったのですか?」

 被「私の一緒に勤務していた上司は、最近まで精神病を患っていた人で、とても気分の上がり下がりが激しい人でした。」「突然キレて物を投げつけたり怒鳴り散らしたりどつかれたりしました。

 弁「そのような勤務だったことを誰かに相談したりしませんでしたか?」

 被「相談はしていませんが、勤務を変更してほしいと幹部にお願いに行ったことが何度かあります。」

 弁「変更はしてもらえましたか?」

 被「してもらえませんでした。お願いをしに行っても、【お前しかやれる人がいないんだ。ほかに誰ができるか言ってみろ。】などと言われ、変更してくれませんでしたし、周りの先輩や他の上司は見て見ぬふりをしていて誰も助けてはくれませんでした。」

 弁「そのストレスが原因であなたの生活はどう変化していきましたか?」

 被「勤務の前日は夜に眠れなくなってしまいました。しかし、勤務の前日には潰れるまでお酒を飲むようにもなりました。」

 弁「最初のきっかけはそんな時ですか?」

 被「はい。冬の出来事だったと思います。いつものように勤務の前日だったので、お酒を飲みましたが、その日は友人と予定が合ったので、近くに飲みに行きました。その帰りに泥酔してしたので電車を一駅乗り過ごしてしまいました。歩いても帰れる距離だったので歩いて帰っていましたが、ふと前を見ると若い女性が同じ方向に歩いているのを見つけました。そしてなぜかその女性は私のほうを振り返ってきたのでした。その時私はなぜかドキドキしてしまったのと【周囲にも車や人通りはなく、こんな状況なら痴漢してもばれないだろうな】と思ってしまいました。しかしその時は何もしていませんでしたが、帰った後にそのドキドキからストレスが発散された気がしました。それがきっかけでした。」

 弁「その後犯行を始めたのはいつからですか?」

 被「機動隊に異動した後です。」

 弁「なぜ異動したのですか?」

 被「私が所属していたのは特殊部隊で、そこは厳しい選考試験を突破した人格に優れた人しか入れないところなので、もうこんな不当な扱いは受けることがないだろうと思い期待して頑張り、受かったので異動しました。」

 弁「特殊部隊というのはなんという所なのですか?」

 被「スカイマーシャルです。」

 弁「どういった内容の仕事ですか?」

 被「国の保安に関係しますので、お話できません。」 

 弁「そうですか。それではそこの人間関係はどうだったのですか?」

 被「よくありませんでした。ほとんどの人は良い人が多かったのですが、私のチームのリーダーや副リーダーは私が歴代最年少で入隊したこと後気に食わず、私の事を馬鹿にして楽しんでいる様な人たちでした。」

 弁「その時、どう思いましたか?」

 被「警察官である以上、このような人と一生付き合っていかなければいけないのかと、絶望しました。

 弁「そしてどうして犯行をしてしまったのですか?」

 被「以前に感じた、女性の後ろを歩いている時にドキドキした気持ちからストレスが軽くなることを思い出してしまい、飲み会の帰りに歩いていた女性を見つけたのでやってしまいました。」

 弁「今は反省していますか?」

 被「反省しています。被害者の方には一生をかけて償うつもりです。」

 弁「以上です。」

 

 次に検察からの質問ですが、これも形式的な物で特に面白くなかったのですが、その中で面白かったのが

 

 検「このような犯罪には認知の歪みがあるとされています。知っていますか?」

 被「私が保釈されてから、自分の事や被害者の感情について調べていたので知っています。」

 検「ほぅ。そうですか。じゃ認知の歪みとは何ですか?」

 被「認知の歪みとは、殴ったわけではないから傷つかないだろう。とかナイフで脅したわけではないからいいだろう。とか、自分を正当化する心理の事を言います。

 検「ぐぬ、、、

 

 頭の良い検察官がこのように言葉に詰まるのを初めて見ました。

 これだけ見ても被告人が優秀であったのは間違えないと思いましたし、こういう言い方は悪いですが、見ていても飽きない裁判でした。

 

 と、長くなりましたがなんとこの警察官はスカイマーシャルだったようです。

 スカイマーシャルについて調べましたが、ハイジャック専門の特殊部隊で、語学力や近接格闘射撃など、多彩な能力が要求されており、容易には入れるところではないことが確かです。

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 そして彼の体格を見ても確かにガタイが良い。

 そんな特殊部隊の人が犯行してしまうなんて、警察内部はどうなっているのでしょうか?

フランス特殊部隊GIGN ?エールフランス8969便ハイジャック事件?(字幕版)

 

 

 という事で、第三公判は次回に載せます。

 ちなみに第三公判は、被害者の意見陳述と諭告求刑です。